俺の空 第3回 | 広野ゆうなのダイナマイトが百五十屯

俺の空 第3回


ダンサーで学んだこと。
 ★人さまをきちんと楽しませるレベルのものをつくるには、
  自分たちが血ヘド吐くくらい影で頑張らなきゃダメ。
  楽してつくったものに、人は心なんぞ動かされない。
  でもそれを発表するときに「俺たちこんなに頑張りました」
  という苦労をのぞかせたら絶対ダメ。それは素人。
  すんごいなあー、どうやったんだろう…と感心するモノを
  「今回、なんかこんなんやってみた、へへっ♪」くらい
  軽く、するりと、楽しんでやったように見せるべし。


 ★かといって、楽しむことを忘れたらダメ。自分が楽しめて
  ないもので、人を楽しませることはできないから。


 ★練習で100%できても、本番はよくて8割、下手すると6割
  くらいしか力を発揮できない。だから常に120%以上の力を
  出すこと。


 ★叩かれて叩かれて、もう二度と立ち直れないってとこまで落ちた後
  「このやろーーーやったる!」と這い上がれるかどうかが、
  成長するかどうかの分かれ道。


 ★日常でも常に地道にレッスンしていくことが基本。

ダンサー時代は、これをきちんと実行してるそれはそれは凄い人たちが
フツーにゴロゴロいた。チャラチャラに見えるダンサーは、一般人が
遊んでるときに地味に練習を重ねてるのだ、本当に。
だから今でも
「あたしこんなとこでボケッと飲んでていいのかな、
 あの人レッスンしてんだろう今頃…。あたしもいまの仕事のための
 鍛錬をせねばいかんじゃないか」
といてもたってもいられなくなることがよくある。
ダンサーは、それだけでメシを食うのが大変な仕事である。
だから彼らの日常は24時間ダンス最優先。当たり前だけど。
だからね、今、会社にいるからっていわゆる「就業時間内」に
机に座ってることだけで満足する人間があたしは信じられないのさ。
特に、企業内でクリエイターという範疇の肩書きもってる人ね。
あんたら会社の仕事を言われるままにこなすだけで、特に勉強もして
いかなかったら、社外に出てデザイナーです、ライターですなんて
名乗ったら笑われるよ?と思う。徹夜しろというんじゃない。
なんつうの、営業とかのビジネス的要素の多い他の仕事と違って、
自分の内面とかなり直結する仕事なんだから、24時間、そのこと
考えてないでどーすんだ、ということだよ。

バカンスいくなら何か新しいこと取り入れて帰ってこいや!
休むなら休んだだけ「おっ」と思うもの見せてみろや!
作業だけしてるクリエイターはクリエイターじゃないよ。
まあかくいうあたしが、今それさぼってる。しんでしまえ!
なのでここんとこがんばっております。

というわけで、ダンサー時代に出会った
あたしのいちばんの心の師匠はこの人です。
単に生徒としてクラス受けたり発表会で振り付けて
もらったりしただけで、親しくも何ともないですけど、勝手にね。
この人の何もかもに憧れる。こういうオンナになりてえなと今も思う。